ゆめみごこち

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【民法総則】法律行為(意思表示)が成立するには

はやしんです!

 

今日は法律行為についてです。

法律行為と言っても主に意思表示についてのまとめになります。

 

 

法律行為という言葉は講学上の概念であり、一般に契約や解除、取消、追認等様々ものを含みます。

そして、これらが成立するためには、一方若しくは双方の意思表示が必要となります。

 

例えば、売買契約でいえば、売り主の売るという意思表示と、飼い主の買うという意思表示が合致することによって契約が成立します。

 

 

では、こういった意思表示の効力はいつから発生するのかというと、それは、民法97条1項では「意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。」と規定しています。

 

これは、到達主義の考え方で、意思表示の通知が相手方に到達したときに意思表示の効果を認めるものです。

 

意思表示の効力を発信の時点で認めてしまうと、相手方が知らないところで効力が発生してしまします。

また、相手方が了知したところで認めてしまうと、相手方は、自分に不都合な通知が来たらそれを読まずに放置することによって、恣意的に効力の発生を妨げることができてしまいます。

 

こういったことが起きるのは妥当ではなく、到達主義の立場がとられていると言えます。

 

 

到達主義では、到達によってはじめて意思表示の効力が発生するため、逆に言えば、到達するまでは発信してもその効力は生じません。

 

表意者は通知の到達前に、その意思表示を撤回するという通知を相手方にすることや、通知の到達を止めることで、到達によって意思表示の効力が発生することを防ぐことができます。

 

 

それでは、そもそも到達とは何かということについてです。

 

到達の意義は、「一方で、表意者が相手方に了知させるために必要な合理的に期待される行為を行って(相手方の了知可能性への信頼)、②他方で、書面を相手方が了知可能な状況に於けばよいと考えられる。」※引用(平野裕之「コア・テキスト民法民法総則(第2版)」新世社、2011年68貢)とされています。

 

これについて判例では、同棲中の内縁の妻が送達を数回も拒絶した場合に、「相手方に於て其の内容を了知するを得る状態にまで意思表示を置くこと」までで良いとされ到達が認められました。(大判昭和11年2月14日民集15巻158貢)

 

また、会社に対する催告書が持参されたときに、たまたま会社事務室に遊びに来ていた代表取締役の娘が受け取った場合にも、到達とは「受領の権限を付与されていたものによって受領され或は了知されることを要するの謂ではなく、それらの者にとって了知可能の状態に置かれたことを意味する」として到達が認められています。(最判昭和36年4月20日民集15巻4号774条)

 

 

だが、相手方やその住所を知ることができないときに意思表示ができないのは不合理ではないでしょうか。

 

そこで、民法98条1項では、「意思表示は、表意者が相手方を知ることができず、又はその所在を知ることができないときは、公示の方法によってすることができる。」として、公示による意思表示を認めています。

同条3項では、「公示による意思表示は、最後に官報に掲載した日又はその掲載に代わる掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。ただし、表意者が相手方を知らないこと又はその所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。」として公示による意思表示の効力を定めています。

 

公示による意思表示が認められることで、相手方が分からないから意思表示ができないというという、表意者にとって不利益な状況を防止していると言えるのでしょうか。

 

 

また、民法98条の2の本文は、「意思表示の相手方がその意思表示を受けた時に意思能力を有しなかったとき又は未成年者若しくは成年被後見人であったときは、その意思表示をもってその相手方に対抗することができない。」とされており、意思表示の到達が認められるには、相手方に受領能力が必要となります。

 

未成年者や成年後見人が受領能力を制限されっている一方で、同じ制限行為能力者である被保佐人や被補助人にはその制限がされていないことに注意が必要です。

 

 

 

法律行為(意思表示)が成立するにはという点について簡単にまとめて見ました。

 

意思表示は契約など様々な法律行為(意思表示以外の)をするために行うことであって、その角度から考えてみれば、意思表示は法律行為の基礎の基礎の基礎にある重要な部分なようにも感じます。

 

そういった部分を正確に理解することが他の分野を学習していくうえでも役に立てばいいなーなんて思いました!

 

 

参考文献

平野裕之「コア・テキスト民法民法総則(第2版)」新世社、2011年