ゆめみごこち

司法試験合格を目指して絶賛勉強中の大学生のブログです!勉強の記録や日々の日記について書いています!よろしくお願いいたします!!!

【民法総則】人の始期と終期

はやしんです!

 

2月に入って大学が冬休みに突入しました!春休みは民法を復習します!

 

 

まずは総則の最初、「」についてです!

民法では権利主体として、自然人(人間)と法人に区別されますが、今回は自然人についてです。

 

大まかにいうと、民法において、権利義務の帰属主体となることができる資格=権利能力は一体いつから人に備わり、いつ無くなってしまうのかという内容です。

 

 

今回は・人の始期

   ・人の終期、失踪宣告 についてです

 

 

まずは始期についてですが、民法3条1項では私権の享有は、出生に始まる。」とされています。

 

ここから読み取れる通り、すべての人間は出生したと同時に、「人」になり、当然に権利能力が認められるのです。

 

つまり、出生から死亡までの間が「人」であり、その間のみ権利能力が認められます。

対して、胎児は未だ人ではなく、権利能力が認められません。同様に死体にも権利能力が認められません。

 

胎児や死体が「人」ではないというのはどこか不思議な感覚がするなーなんて思ってしまいます。

 

 

しかし、「人」ではない胎児にも、例外として権利能力が認められる場合があります。

 

それが、不法行為、相続、遺贈の3つの場合です。

 

まず、不法行為についてですが、民法721条で「胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。」と規定されています。

この規定は、父親が不法行為の被害により死亡した場合に、711条による損害賠償請求を認めるほか、判例では胎児に対しての不法行為について損害賠償請求を認めています。

 

相続に関しては、民法886条1項で「胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。」と規定されています。

これによって胎児には相続が認められます。

 

また民法965条では、886条を受遺者について準用すると規定することから、胎児は、遺贈についてもすでに生まれたものとみなすことが出来ます。

 
 
しかし、民法886条2項では「前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。」とし、胎児への相続は、その後に出生することが条件として求められています。
 
これと同様の条件は、不法行為について定める721条にはさだめられてはいないのですが、同様に考えるべきとされています。
 
 
そして、この条件についてですが、これは停止条件(人格遡及説)と解除条件(制限的人格説)が対立しており、判例は前者の立場にあります。
 
停止条件説では、胎児の間には権利能力は認められず、胎児が生まれてきたら、それを停止条件として、遡って胎児に不法行為による損害賠償請求権や相続、遺贈についての法的な扱いを認めるという立場になります。
 
対して、解除条件説では、胎児は胎児の間から権利能力を有しており、胎児が生まれる前に死亡してしまった場合には、それを解除条件として、胎児の権利能力を否定するという立場になります。
 
個人的な感想としては、停止条件説の考え方のほうが民法3条1項と矛盾せず、妥当なように感じました。
 
 
以上が・人の始期 についてで、まとめると
 ①人は出生により権利能力が認められるが、不法行為、相続、遺贈については例外と   
  して胎児の間から認められる。
 ②その根拠について、判例停止条件説の立場にある。
 
 
 
 
一方で、人の終期についてですが、終期に関する規定は民法にはおかれていません。
しかし、相続の開始時点が「死亡」であることから、人の終期は死亡した時点であると考えられます。
 
そんな「死亡」時点が問題になる場合は、複数人が死亡した時でその先後が不明の場合と、生存が不明の場合です。
 
まず前者ですが、例えば、ある一家の父親と息子(配偶者がいる)が死亡した場合、そのどちらが先に死亡したかによってお互いに相続関係が生じ、相続の結果が大きく異なります。
そういった問題から、民法32条の2では「数人の者が死亡した場合において、そのうちの一人が他の者の死亡後になお生存していたことが明らかでないときは、これらの者は、同時に死亡したものと推定する。」と規定し、複数人の死亡の先後が不明の場合には、同時死亡の推定をし、お互いに相続関係が生じないとされています。
 
 
後者について、生存が不明の場合には家庭裁判所が利害関係者の申し立てに基づいて失踪宣告をして、その人の死亡を擬制するという制度がとられています。
 
失踪宣告制度は民法30条に定められており、30条1項の規定する普通失踪では、7年間生死が明らかでないときに失踪宣告が認められており、2項の規定する特別失踪(危難失踪)では「死亡の原因となるべき危難」が去った後1年間生死が明らかでないときに認められています。
 
失踪宣告がされたときに、死亡と見なされる時点については、民法31条に規定されており、普通失踪では7年間の期間が満了したとき、特別失踪では危難が去った時について死亡と見なすとされています。
 
 
また、失踪宣告の申し立てをできるのは利害関係者に限られている点や、一度なされた失踪宣告を取り消すためには、その人が生存していることを証明するだけでは足りず、家庭裁判所による取消の判決が必要となる点に注意が必要です。
 
また、失踪宣告がされたからと言って、その人から権利能力がはく奪されるわけではなく、仮にその人が生きていたとしても法律行為は可能となります。
 
 
異常が人の終期と失踪宣告についてで、まとめると、
 ①人は「死亡」時に権利能力を失う。
 ②複数人が死亡した場合にその先後が不明であれば、同時死亡の推定をする。
 ③生存が不明であれば、普通失踪、特別失踪に分けて失踪宣告をし、死亡を犠牲する  
  ことができる。
といったところでしょうか。
 
 
 
 
今回のブログははここまでとなります。
 
今回は民法の勉強記録についてですが、これから色々と書いていくつもりなのでよろしければ読んでいただけると幸いです!
 
 
ありがとうございました!
 
 
 
※参考文献
 平野裕之「コア・テキスト民法民法総則(第2版)」新世社、2011年