【刑法】授業で判例学習をしました
今回は初めての勉強記録を書きたいと思います。
昨日は新入生ゼミナールという授業があり、この授業では現在グループごとに分かれて刑事事件の判例学習を行っています。その中でも2つのグループの判例報告の発表が行われました。
「殺人業務上横領被告事件(昭和33年11月21日最高裁判所第二小法廷)」と「傷害致死被告事件(昭和39年1月28日最高裁判所第三小法廷)」という二つの事件が扱われました。
前者の事件は、加害者において追死する意思がないにもかかわらず、そのことを誤信させて被害者を自殺に導いた事件です。このような被害者の自殺は被害者の真意に基づかないものとして刑法202条に行ける被害者の委嘱や承諾に当たらず、刑法199条の殺人罪が成立すると判断された事案です。
199条の殺人罪と202条の自殺関与罪では量刑が大きく異なり、どちらの罪が成立するか問題点となりました。
最高裁は被害者の自殺について「その決意は真意に添わない重大な瑕疵ある意思であることが明らかである。」「甲に追死の意思がないに拘わらず被害者を欺罔し甲の追死を誤信させて自殺させた甲の所為は通常の殺人罪に該当するものというべく、原判決は正当であって所論は理由がない。」と判断しました。
この判例に対する学説もいくつかありましたが法益関係的錯誤説という立場がなかなか理解が難しく苦戦しました。理解は出来たものの全く賛成派出来ませんけどね…
私自身は最高裁の判決には賛成です。被告人が被害者に追死することを誤信させていなかったら、被害者は自殺することを選ばなかったかもしれない。被告人は被害者の心中の意思を利用しただけかもしれない。論理的ではありませんが、そんな風に考えれば殺人罪が妥当だと思いました。反対意見もあると思いますが…
参考:第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
第二百二条 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の懲役又は禁錮に処する。
判例を読むのは難しいかったんですが、こういった学習が少しでもリーガルマインドの向上につながると信じます!
今日はこの辺で終わりたいと思います。
後者の事件についてはまた機会があったら書こうかな